暮れのご挨拶が書けずに新年スタートしてしまいましたが、どうなることやらと思った2020年も何とか無事に乗り切ることができました。
新年早々にコロナウイルスの第三波がやって参りまして、2回目の緊急事態が決議されたようです。
幸先のいいスタートではありませんが、世の動乱こそは世相の現れですから、その世相が武力戦争ではなく、敢えて言ってしまえば戦略的ウイルスというのは、重ねて、敢えて近未来的ではないかと思うのは少々不謹慎でしょうか。でも、らしいと言えばらしいのかもしれません。
そんな大変な世の中でも、誰の元にもクリスマスはやってきて、誰の元にも新年はやって参りまして、誰の元でも時間は平等に流れていきますから、どう過ごすかは本人の選択肢ではないでしょうか。
恐らくその選択肢は平等ではないとは思いますが。
先日はとあるお客様とこんな話になりまして。
小さなバイク屋が緊急事態下でも大した影響は無い。
酔っぱらって大声で話すこともないし、大勢が来ることも無いですから、やる事はいつも通りなんですが、ただ1つ大きく変化することがあるのですよ。
それは周りの目ですね。
バイク屋の店主が必至で悲鳴を上げる腰に鞭打って、軋む手首を縛り上げて必死に作業するその姿は、一歩店を出て中を覗いてみると、あら不思議なもので、こんな大変な時に、何だか楽しそうで趣味と実益を兼ねたお気楽なお仕事をマイペースにやってらっしゃるようだと。
緊急事態の状況ではまぁ、そう見えなくもない。
言うなれば、日本古来からの全体主義の美しい連帯性を重んじる文化ではそういった見方がやけに機能するのが少々怖いですなぁ。
しかしこの客観的な視点は平穏な状況下次第では気にもならないのだが、第3波と緊急事態宣言、かなり気を張らねばならない。
店主が恐れるのはウイルスではない、人間である。 店主からすると、人間がウイルスよりももっと恐ろしいのである。
窓に張り紙など、どうかしないでおくんなせぇよ。 と願う日々は悩ましいものである。
連鎖による不景気も然りで怖いのだが、生き残った元気な業界が然るべく健全な活路を見出せば、経済をまた活性化させる。 きっとそれも連鎖であるから。
雨上がりの美しい空、雲の隙間から煌々と陽が差し込む。
この後の景色はそんな感じが宜しいのでは。
新年早々に少々くらい文面となりましたが、ご挨拶とかえさせて頂きます。
皆々様におかれましても、どうかご無事で本年を健やかに過ごされますよう、心よりお祈り申し上げます。
芦田屋店主