芦田屋 町工場の夕日
東京は杉並区にあるバイク屋さんの日々の作業風景。 オートバイならどんなメーカーでも出来る事は何でも対応します。 内燃機の専門的な作業から一般的な軽作業まで、幅広く対応しています。
2024年8月21日水曜日
2024年8月1日木曜日
キエル魔球 ~種田ホープ軒~ その4 種田と國山
足田は隣で聴いていてあくびが止まらない、昨晩はネットで中国系の半グレの拠点情報を
種田の話を真剣に聴く幸田は感嘆の声を上げる。
「なんつー面白い話だ!ブラボー、種田さんアンタ最高に熱い体験
「信じられないだろうし、そんな事が起きていたのに今この国は、
そう思うのだろう?」
「そうだね、國山は簡単に言えば担当がスポーツ文化の価値判定担
それともう一つ、國山がスポーツ文化担当だったとして、判定基準
「そうなるね、実際には居ると言うより、項目分のコントロールさ
こんな野球人崩れに國山さんが何やったかなんて分からないよ。」
「なるほど、で、さっきの山ちゃんって奴はその片割れって事にな
「彼は、きっと監視員じゃないかな。 アタシを監視していると思っているよ。 もう何十年も、國山さんが消えた頃からね。」
「何故? 何故人間の、いや地球人のアンタが監視される? もしかして國山の謀反に一枚噛んでたのか?」
「そうなるのかなぁ、國山さんにはそういう説明は受けなかったが
種田は思い出す、あの懐かしいクラウンで國山と二人でドライブし
國山はとても支離滅裂な印象で、理解するには程遠かったが、話し
彼は単純に野球が好きだった。
そして野球を通して、人間として暮らし、人間と交流する内に人間
それが必要以上だったのかも知れないが、当時も今も本人からそれ
種田のクジラクラウンは夜の名古屋を走っていく。
名古屋首都環状線を出て、第二環状線をゆっくりと回っていく。 2リッター直列6気筒の排気量は当時ではかなり大柄で高級車とし
ゆったりと寝そべる様に助手席に乗る國山は目を閉じて、ボソボソ
さっきまでの勢いはなんだったのだ、証明してやるって一体何をす
「こっちの星でクソミソに言ってるほど、決して何もかもが悪い訳
「悪い?ああ、地球人がって事ですか?それとも野球が?」
「両方だにゃー、特に野球は良いにゃ、吾輩あんな面白いものは見
「完全にバカにしてますよね?」
「バカになんかしてないにゃ、吾輩お前の消える魔球打つ時は真剣
よし、準備できたにゃ。 貴様はただ目を閉じれば良いだけにゃ。」
「は?運転中ですよ!あっという間に二人とも死にますよ、高速道
「大丈夫にゃ、代わりにダミーのプログラムを起動させるにゃ、貴
「いやいやいや、もう無茶苦茶だ、嫌だ俺はアンタと心中したくな
「ま、目を閉じなくても勝手にやるけどにゃ、アハハハ。」
そう言って國山は狂気の様な高笑いを上げて何かに集中する様に目
種田の視界が歪む、強烈な眠気が襲う様に瞼を支えられなくなり、
深い深い暗闇に引き摺り込まれる様に種田は眠り、暗い深海の様な
時折、疲れ過ぎて目覚ましを掛けていた時間より早く目覚めてしま
目覚めて最初に見た風景はこの世の物ではなかった。
真っ白な氷の世界に広がるガラスの集合体の様な街が眼下に広がる
巨大なガラス窓の内側に居て、かなりの高さだ。
部屋には見た事もない四角形の箱が幾つか並んでいる。 それ以外には何も無い。
そこで突然脳内に直接言葉が響き渡る。
「どうにゃ〜?我々の美しい星は。 素直な感想を言ってみろ」
「まさか、、國山さん、本当に? 何かの幻覚じゃないのか?」
「我々の世界では嘘は無意味だにゃ、会話は無く、脳波で電子的に
「あり得ない、こんな事が本当にあり得るのか。
本当に他の星が存在するのか。 國山さん、アンタ本当にここから来たって事か。」
「んー、正確には来ていないにゃ、國山は肉体を借りているだけに
その部屋はこういったテスト時に使ったり、緊急避難用のシェルタ
だけど、電気的な信号で通信状態にあるから、ざっと地球までの距
「どの位アンタの星は離れてるんだ?」
「ざっとお前達の単位で0.03光年かにゃ」
「いや、それだとよく分からないけど、今もそっちは時間が進んで
「あくまで分かりやすい様にお前達の単位で言っただけだにゃ、我
「分かった、もうよく分かったよ。」
種田は大きく深呼吸をする、大きく溜息を吐く。
「俺は何もすれば良いんだ?」
「ちょっと預かってもらいたい物があるにゃ。 それで地球の査定を先延ばしに出来るかも知れない。 消える魔球を投げた上に、地球を守るヒーローだにゃ、カッコいい
「勘弁して下さいよ、國山さん。」
随分と間が空いてしまったが、まだしつこく続きを書いてみる。
近頃仕事のし過ぎなのか、言葉が上手く出てこない、何事も鍛錬を怠るとすぐに腕は落ちてしまうものだと 痛感する。 最後の更新を見るとなんと2月だったのか、、、店主の感覚では2カ月くらいサボったと思っていたのだが。
それにしても國山の存在が疎ましい。 彼の計画のせいで話がややこしくなってしまい、まとめるのに大変な苦労をしている。
彼が地球の査定をどこまで介入できるのか、それが難しい。 恐らく彼の世界では生活や政治の中で物理的な物は殆ど存在意義を失くしていると想像しているのだが、 その世界を想像しながらクーデター的な事を思い浮かべるが、頭がこんがらがってしまって上手くいかない。
達人の小説家ならここを突破するのだろうが、果たして素人に手におえる代物だろうか? まぁどうせ趣味なので適当に話を合わせていこうと思う。
また次回。
2024年2月15日木曜日
キエル魔球 ~種田ホープ軒~ その3 種田と國山
「東京外国為替市場の円相場は高値で横ばいになっています。 1ドル110円45銭~47銭の高い円高水準となっており、日本
店内の天井隅に設置されたテレビから為替のニュースが事もなげに
幸田は素早くざっとの計算で自身の外貨資産を脳内で暗算していく
「なるほど、つまりこういうことか。 種田さんは國山の言う事を信じた。 その根拠として彼の脅威的な野球技術は人間の肉体的な限界を遥か
「まぁ簡単に言うとそういうことになるね。勿論それだけではない
幸田の質問は端的にこうだった。
「どこの誰が宇宙人で、ここにいて何をしているのか?」
幸田の席から3つ離れたカウンター席で足田は警戒を解かない。 気になっているのは先程出て行った山ちゃんと呼ばれる男。
奴は恐らく帰らない。 種田に言われて渋々店を出たが、出た後に一切店内を振り返らなか
それに、店を出て行ってしまって、この後店内の様子を確認出来な
種田との接触の後、奴と接触する可能性は極めて高い。 即戦闘になる可能性もあるので、先回りで戦法を張り巡らせる。 幸田も恐らくそこは織り込み済み、俺がそっちを自発で担当して段
故に奴は今謎解きに夢中だ。
俺はそっちには全く関心がないが。 半グレ同様、奴が危険な人物であれば俺の監視対象としては成立す
「ん〜、種田さん、やっぱりちょっとよくわからないんだけどさ、
「そう、アンタの予想している通りだと思うよ。 國山は、プロ野球になる前に精神的には一度は死んだ。 言い換えれば、國山は肉体を宇宙人に乗っ取られた。」
「マジか、、。」
流石の幸田も呆気に取られる。 ファンタジーにも程がある。 足田は少々アホくさくなってきて飽きてきていた。
「ではアンタはプロ野球選手現役の間、乗り移った宇宙人と戦って
「結果的にそうなるね」
「ますます分からない、乗り移った宇宙人、一応國山と呼ぶが、乗
そこは無関心の足田も率直な疑問に思う。
"何故宇宙人が野球をやっている?"
かなりの沈黙が続いた。
せっかちな幸田も先を急がせない、何故なら何となくだが、先程の
「この話は恐らくとても危険だから余りしたくないのだがねぇ。 アタシももう歳だし、年甲斐もなくトラブルはごめんだ。 実はこの店もね、後もう少しで畳もうかと思っていたところでね。
「話をする事自体が危険なの? 少なくともここには俺達3人しかいないが。」
「彼等はどこにいても聞いてるさ、必ずね。 でも、もう良いかな。 こうやってはるばるこの問題に首を突っ込んでアンタらが聞きに来
当時ね、國山さんが何故アタシにこの話をしてくれたかは、ハッキ
時は遡り、30余年前。
プロ野球シーズンも中盤に差し掛かって、先発投手として、投球の
その晩の阪神ブレイブスと中日キングスのゲーム終了後。
種田が帰路に着く為、車に乗り込もうとしていた所に國山は突如現
「タネニャン、こんばんにゃ。」
「國山さん!何故こんな所に?」
「タネニャン、たらい回しに行こう」
「たらい回し?何を言ってるんですか?」
「ボケ! たらい回しを楽しむお前達!」
「ボケって…ひどいな。 たらい回し、、あぁ、ひょっとしてドライブの事ですか?」
「あぁ、それ。 ドライブ、貴様と話をしたい。」
「貴様って…失礼だな貴方。 分かりましたよ。」
種田は戸惑いながらも、当時から独身なのでどちらにしても試合が
気味が悪く思いながらも、あの天才スター選手が誘ってくれた事に
ナゴヤ球場を後にして、車は名古屋首都環状線をゆっくりと走って
「この車は何と言う車にゃ? 楽しいな。」
「そんなに特別な車じゃないですよ、トヨタのクラウンです。 地域柄、トヨタの方が何かと印象が良いんですよ。 1974年式でクラウンとしては4代目。 通称クジラクラウンと呼ばれています。 人によってはブタクラウンとか言ってましたね、当時は3代目に比
「そんなクソ車に何で乗ってるのだ?」
「クソって…何なんですかさっきからアンタ一体。 國山さんってちょっと頭変ですよね?
この車はね、何だか自分に似てる感じがしてね。 この車はピカイチで内装が美しい、デザインも機能も当時から他の
それがね、消える魔球を投げ続ける自分とちょっと似てるかなって
「なるほどな。 確かに、このココのあたりとか良いな、この具合が。」
そう言って國山は握った握り拳でダッシュボードを思いっ切りパン
「おい!國山!何やってんだアンタ!」
「ん?ああ、気にするな種田、良い事だ。」
「はぁ?何なんだ一体、、」
「種田、野球好きか?」
「いきなり何なんですか? 野球好きかって、複雑ですよ、好きだけどね。 そう簡単に割り切れるモンでもない。 特に私の場合、消える魔球が無ければ、誰かを投げ取れる球種を持
言い換えれば、消える魔球が無い私は高校球児以下の草野球チーム
だけど、好きだから、誰よりも練習はしてきたつもりです。
だけど、そんなにうまくはならなかった。 ギリギリ崖っぷち、プロ入り出来たのもドラフト外でしかも練習生
「その練習生時代に消える魔球を会得したってな。」
種田は思う、この人野球になると急に普通に話し始めたな。
「そうです、練習中に汗で手がべとべとになって、球が滑って失投
「一瞬球が見えなくなった、ブレてボヤけた。と。」
「そうです、あり得ないと思いつつ、似た様な投げ方を何度も何度
ただ、あの球種を投げる為に、異常な力みと手首のスナップを使い
「そうやってこの我輩を討ち取るのか。 素晴らしい。 あの球は我輩の解析データに数値的にも情報が上がってこない。 だから我輩でも殆ど打てない。 我々の技術を駆使しても解析できない極めて異質な現象だと本部は
貴様に出会うまで、報告書には野球文化は我々の時代には不要であ
残すべき文化として報告を上げたのだが、本部は保存条件不足とし
我輩はそれに反発して、監査員を入れ替えるなら交代要員を消去す
種田どう思う?」
「いやいや、何の話か分かりませんね、何か文化の査定でもしてる
「役所ではない、お前達地球人によるこの惑星の支配権与奪を検討
「頭おかしいのかアンタ、ちょっとやめてくれ」
「この男の頭は特に異常検出されていない。実体としては我輩はこ
お前達地球人の技術でも脳科学の分野においては原始的な脳波通信
ただ、意識に介入して脳をコントロールする所までは遥か遠いがな
そうして、この惑星における人間すべての活動、自然環境、惑星近
「その話、俺はどうやって信じればいい?」
「それは想定通りだ、準備してあるので証明しよう。 その代わり、信じてもらえるのなら、手伝って貰いたい事がある。
「バカバカしい、どうせ先に何を手伝うのか聞いても教えてくれな
種田はもはや、冷や汗が止まらない、車の隣に載せた男が、宇宙人
あまつさえ、地球人はどうも危ないらしい。
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明けまして、、、、、、、今年も宜しくお願い申し上げます。 能登半島地震の事もありますので、おめでとうございますとはなかなか言えない状況にありますので控えさせて頂きますが、それらも含めて長々と新年の所存を書き連ねていましたが、Wifiトラブルで全て消えてしまいましたのでサラッと終...
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足田は隣で聴いていてあくびが止まらない、昨晩はネットで中国系の半グレの拠点情報を 漁っていて殆ど寝ていない。 種田の話を真剣に聴く幸田は感嘆の声を上げる。 「なんつー面白い話だ!ブラボー、種田さんアンタ最高に熱い体験 をしたね。 本当のはなしならね。」 「信じられない...