2022年11月24日木曜日

不動産屋のオヤジ曰く

小説バージョンを只管書き連ねるブログになってはこれまたブログとしてはどうなのか?

いや、そもそも論が好きな年代心得。

バイク屋のブログとしてはどうだと。

そう思い至ったところから、こちらでも番外編的な近接芦田屋心境をつづる事にはある一定の魅力期待値が備わるかもしれないと。

忙しい所に更に忙しさを加速される狂人芦田屋店主でございます。


本日はBGMで久しぶりにチャーリーパーカー氏を流しておりました。

いつもながら技術的な事は語れませんが、チャーリーパーカー氏のサックスセッションは神がかっております。 

自由過ぎるのも程があると。 

もうむっちゃくっちゃにあちこちへ飛び回って、殆どねずみ花火でございまして。

そんなチャーリーパーカー氏が大好きな、これまた敬愛する伊坂幸太郎氏。 小説を読んでいる途中でチャーリーパーカーが好きな事を知り、あぁ引っ張られたなと思いました。

そんな井坂幸太郎氏、店主の敬愛する斉藤和義氏と仲良しだそうで。 合作迄行っております。 そんな斉藤和義氏のベリーベリーストロング。 名曲ですね。

こちらの曲を初めて聞いた時、小説みたいな画期的な曲だなと思ったのを覚えております。

そしたら小説になった。(笑)

素敵な人達が揃いも揃って、良い事ばっかりして、ずるい。 店主も混ぜてくれ。

そんな時、いつも思い出す記録されたシーンがあります。

とある不動産屋のオヤジがニヤニヤしながら言うんですね。

「芦田さんさぁ、良い人間だよね。 良い人集まるよ。 これ絶対なんだけどさ、人はね、同じ人間が集まるの。 絶対。 類は友をって奴だけどね、あれは本当なの。 悪い奴の近くは悪い奴、良い奴の近くは良い奴。 金が好きな奴は金が好きな奴、女が好きな奴は女好きな奴、皆そうやってある年齢から集合帯になっていくんだよ。 芦田さんはさ、良い人集まるね。 だけど気をつけてな、変に悪い奴に近付くと、アンタ悪い奴になるってこともある訳だ。」

あぁ、類は友を、かぁ、、。

当時は若かったのでそう思ったが、オヤジの言っていたことはとてもよく分かる。

逆に、悪くなるなよって言ってた意味も余計に分かる。

オヤジが言うには付け加えとして、最後はさぁ、良い人がちゃんとそれなりに小さな得を持って帰るから、焦んなさんなよ!がっはは!と言っていた。

それもまぁ、そうだなと思う。

だから見紛う事も無く、井坂さん、チャーリーパーカー、斉藤さんを好きなのは、あの人たちがきっと優しくて良い人なんだろうなぁと思ったりするからである。

不動産屋のオヤジの言う道を踏み外さずに、最後まで歩いていきたいもんだ。

隣の道はバラ色に見えるが地獄へ続いているかもしれない、そう思うと、地道が一番だな。

そんな本日は暮れに暮れて深夜12時。 ジャズの音色に溶けたマッカランが美味しい。

しかしあのオヤジ、本当に良い奴なのか?




2022年11月10日木曜日

河川敷ファーザー Vol.2

 冬の夕暮れは、気が早い。

こんなにも早い時間なのに、何だか早く家に帰りたくなるような気分になる。

俊男は6時間目の授業を終え、一人足早に帰宅を急ぐ。 手短に教科書を鞄にしまって、クラスメイトとの一日の終わりの談笑も早々に切り上げ、先ずは教室の出入り口の様子を確認する。

俊男は考える。 よし、ここにはまだ来ていない、あいつらに見つからずに帰るには人気のないルートで学校を出ないと。 だけどその後は、どうすれば良い? 多摩川の河川敷に呼び出されている。 これを無視したら、一体僕はどうなるんだろうか? 僕は一体これから何をされるんだろう? どうすれば良い、恐い、とにかく恐くて仕方ない。

下校を一斉に始めた生徒たちでごった返す下駄箱のエリアを柱の陰からこっそり覗くと、やはり件の不良グループは待ち構えていた。 いや、待ち構えているというより、普段からダラダラとたむろしているのだ。 しかし、どうだろうリーダーである長身の少年、東海君はいないようだ。 

登校した際に予め下駄箱に立ち寄らなくて済むように運動靴を鞄に仕舞っておいたのは正解だった。 

急いで下駄箱には寄らず、職員室の前を通過して正門と逆方向へ走る。 

裏門から遠回りをして普段の下校ルートを外れて帰る。 その場は何とか彼等からは逃れられるだろう。 だけど、その後はどうしたら良い?その事を考えると、まるで宇宙空間に放り出された様な孤独が襲う。 喉の奥の方が詰まる様な気がして嗚咽を漏らしそうになる。

何故こんなにも辛いのだろう、何も悪い事はしていないのに、何故こんな目に遭うのだろう。 その質問をする相手もなく、自問自答が余計に悲しくなる。

体の弱い母親の顔が浮かぶ、また泣きそうになる。 助けて欲しい、だけど母さんは体が弱い、心配を掛けたくない。 

普段のルートから外れた道順で遠回りしたせいで、帰宅が遅くなってしまった。

母親「お帰りトシちゃん、遅かったわね。 何かあったの?」

俊男「うん、友達と喋りながら帰ってたら盛り上がっちゃってさ。公園で喋ってたんだ。」

母親「そう、、友達ってみっちゃん?」

俊男「うん、、」

母親「トシちゃん、母さんね、ちょっと心配でね、怒ってないから本当のこと言って欲しい。 母さんみっちゃんが一人で帰るところ見かけたんだよね。」

俊男「え!なんで知ってるの?」

母親「俊樹さん、お願い。」

俊樹「俊男、母さんは別に尋問したい訳じゃない、ただ心配なんだよ。理由はお前分かってるんじゃないか?」

俊男「分かんない、僕はいつも通りだしなんで急にそんなに心配されなきゃならないわけ?」

俊男は少し険しい口調で俊樹が話し始めたことに嫌悪感を抱く、当の俊樹が嫌いというより、問題の根源の様な、発端となった俊樹の存在に当りようの無い苛立ちを覚える。

俊樹「単刀直入に聞くが、母さんの財布からお金を黙って持っていただろう? それ自体は悪い事だ。 ただね、父さん達は俊男がそれが悪い事だと当然分かっていると思ってる。 お前は賢いからね、それでも持って行ったことが、とても心配なんだ。」

俊男「あれは!もう、、そうだけど、ごめんなさい、、」

俊樹「やっぱり。 お前の良い所は素直なところだ、胡麻化さない。 謝れる。 何か理由があって持って行ったんじゃないのか? もし欲しい物があれば、お前はその為に努力できる子だ。 素直に相談してくるだろ?」

俊男「言えない。 理由は言えないよ、絶対に。」

俊樹「そうか、、、言えない理由があるという事だよね。」

俊樹は自身が思っている以上に、事態は複雑なのかもしれないと、時既に遅しと焦る。 父親らしく、家族を安心させられる言動を体現しなければ。 そう思えば思うほど、脳内の思考回路は機能性を失っていくかのように感じる。

ちゃんと考えろ俊樹、ここではお前のリーダーシップが皆を安寧に導く。 

俊樹「分かった、どうしても言えないならそれはもういい。 だけど代わりにこの質問に答えてくれ。 俊男、お前いじめに遭ってないか?」

俊男は絶句した、余りにも単刀直入、そして自分のプライドがいつかTVで観た廃墟のビル爆破解体の映像の様にあっけなく崩れていく様相を覚える。

俊男「バカにするなよ、俺がいじめられる訳ないじゃん、俺はそんなに弱くない!」

俊樹「お、”俺”って、、お前どうしたんだよ、なんでそんなにムキになるんだ。」

俊樹が呼び止めるのも聞かず、俊男はおもむろに着の身着のままで家を飛び出す、何故飛び出したのか?自分でもよく分からないが、あの場に居れなかったのだ。 

僕だって男だ、僕だって男だ、僕だって男だ! 何度も何度も心の中で叫び続ける。

10回でも、20回でも、叫び続ける、涙が出ようが、いじめられようが、喧嘩が弱かろうが、僕は男だ。 弱くて心配されてたまるか。

負けたくないんだ!

時刻は17時半、日は落ちて、辺りはゆっくり夜へと様相を変えていく。 走る、夢中で走って、走る事に何の解決の意味もないのに、俊男は走る。 何事も無かったように、近くの家から夕飯の支度の香りが漂ってくる。 こんなにも僕は孤独だよと、その家庭にも伝えたくなるほどに幸せそうに見える。

俊男は夢中で走って、途中でスッと何かが胸を通過する。 俊男は追い詰められ、たった14歳と幾ばくかの年月しか生きていない少年の胸に去来する覚悟。

俊男はつぶやく。

「やってやる、、。」

俊男が河川敷に到着する頃、17時45分。 目当ての場所はもう把握してある、神崎橋の下だ。 彼らがたまり場にしている場所、いつもそこに集まってバイクを乗り回している。以前一度呼び出されたことがある。

土手の上から橋の下を遠巻きに観察すると5人位の少年達がたむろっているのが見える。 

俊男を見た少年の一人が叫ぶ。

少年「俊男!おせぇぞ、こっちにこい。」

俊男はゆっくりと土手を斜めに下っていく、その歩みはまるで何かを覚悟したかのように、ゆっくりと、落ち着きすぎている。 自分でもおかしいと思う、死ぬのか僕。


その頃、俊樹と母親も、それこそ俊男以上の気迫で走っていた。

俊樹「母さん!母さんはもういいから家に帰って、お願いだから。 俺が追いかけるから。」

母親「ダメ!絶対ダメ!見つけないと!」

母親の桃子は心臓が弱い、既に不整脈が多発して、発作がいつ出てもおかしくない状況だ。

俊樹「分かった、分かったから少し休んでくれ、俺が必ず見つけて携帯に連絡を入れる。 それまであそこの公園で待ってくれ、頼む!」

息も絶え絶え、桃子は返事をするのが精いっぱいだ。

俊樹は思う、こっちの方向で間違いない筈。 がむしゃらで走ったとは言え、何かのきっかけや行く当てで方向は見出している筈だ、いつも立ち寄る場所、友達と会う場所、集まって話す場所、集まって、、、集まる? あそこか、河川敷の悪ガキ共が集まっていると町会で問題になっていた橋の下。

俊樹は40代後半だ、全力疾走すると膝が軋むように痛む。 痛む膝を気遣いながら思う。

俊男、、父さんの後ろをヨチヨチ歩いてたお前が。 14年もずっと見てたんだ、随分足速くなったなぁ、参ったよ。

続く


店主は父親でもなく、子供とコミュニケーションを殆ど取った事のない生活をしているもんですから、こういった小説では随分と想像力を働かせないと心境を察するに至らないことを痛感してしまいます。

とは言え、父親の姿はずっと背中を見てきたのですが、本当に家族の為に命を張ったシーンを何度か見ていますので、この歳になると父親の凄さというのは十分に理解しているつもりです。

はてさて、俊樹は家族を守り切れるのでしょうか。 

あとがきみたいになってしまいますが、以前、旭川市のいじめによる自殺の事件を知って、店主は相当に心を痛めまして。

その実像に近い被害少年少女の心境と閉塞感、救いのない闇の中を描いてみたいと思ったところがあります。

とは言え、そこに何某かの救いの人、そういったものがある世の中であってほしいとそういった願いも込めた内容ですが、引き続きのお目汚しをお許し下さいませ。

芦田屋店主



2022年10月6日木曜日

河川敷ファーザー Vol.1

 無関係を装った様に害虫駆除の紫外線ライトがバチバチと音を立てているその下で、まるで自分とは別世界の出来事の様に、篠崎俊男は心臓と胃の間辺りに何かとても痛く切ない物を感じていた。

「だからよ、俺は最低でも10万って言ったよな、俊男、お前なめてんのか?」

細身で長身の少年が言う。

「ごめん、でももうこれ以上は無理だよ、ごめん。」

小柄で華奢な俊男は1万円札を持つ手を出そうか引っ込めようか、手を震わせながら言う。

俊男は柄の悪そうな少年数人に、午前0時も過ぎた頃、取り囲まれている。

長身の少年「お前、マジで許さねぇ、絶対明日までに10万用意してこい。 できなきゃマジで殺しちゃうよ?」 

俊男 「ごめん、、、許して下さい、、。」

長身の少年 「うるせぇ!ごめんで済んだら、、、なんだ、アレだ、アレだぞ!」

「ギャハハ!なんだお前その続き分かんねぇのかよ、マジかよ!」

周囲の少年達の下卑た笑い声が静かな深夜の住宅街に響き渡る。

俊男はこんな時いつも思う、コンビニだって大人の住んでいる世界だ、この世界は大人に溢れている、だけどどの大人も僕を助けてくれない。 きっとこのコンビニの店主も気付いている筈だ、僕がこんな目に遭っている事を。

父さんや母さんもそうだ、誰か、誰かに助けてもらいたい、誰でもいいから僕を守って欲しい。 不良グループの少年たちが虫よけのライトに感電して退散してくれないかと夢想している直後、腹部に強烈な痛みが走った。

長身の少年が俊男の鳩尾辺りに強烈なパンチを喰らわせる、仲間達に笑われた腹いせだろう。

俊男は腹を抑えて蹲り、呼吸を整えることに全神経を集中する。

何故か泣けてきた、なぜこんなに悲しいんだろう? 途端に母親の財布から1万円を抜いた時の光景が蘇る。 それがとてつもなく悲しくて、俊男は嗚咽する。

細身の少年「明日までに10万用意してこいよ! 夕方河川敷で待ってるからな。来なきゃどうなるか分かってんだろな。」

これ以上は無い陳腐な決め台詞を吐いて不良グループの少年たちは去って行った。

翌日の朝

俊男の母親 「トシちゃん、起きなさい、学校遅刻するわよ。」

明るく優しい声で俊男を起こす母親は、心臓に持病を抱えており、働きには出ずに俊男が生まれる前から専業主婦として篠崎家の家内を守っている。 病弱ではあったが、いつも明るい母親が俊男は好きだった。 

対して俊男は父親の篠崎俊樹が嫌いだった。 悪い男ではないが、学校で深刻ないじめに遭っているのはこの男のせいだと俊男は思っている。

父親である俊樹は高校卒業から一貫して地域の清掃局に勤めており、ごみ収集のトラックを運転して収集清掃業務を極めて真面目に勤務していた。 

いじめの発端となったのは、俊男の通う中学校の先輩不良グループに俊樹の仕事を知られた事が発端だった。

俊男自身は父親の仕事を何とも思ったことはなかったが、不良グループの先輩に臭い仕事だと罵られた、俊男は歯向かった、父さんは臭くはない、寧ろ良い匂いだと。 ゴミは臭いけど、皆が出しているだけで、父さんは関係ない!

それ以来、俊男は事ある毎に不良グループの標的となり、その陰湿ないじめはいつしか恐喝へと変貌を遂げ、今や俊男は自らの命すら危機に晒されていると感じている。

俊男は日々悪化する自身の状況に強烈な孤独と将来への不安を感じていた。 まるで永遠に終わらないホラー映画を観ているようだと思っていた。

いつしかその苛立ちは、発端となった父親へ向かうようになり、父親をつい罵ってしまう。

俊男「母さん、父さんはもう仕事に行ったんだよね?マスクして深めに帽子被って欲しいって伝えてくれた?」

母親「トシちゃん!なんでまだそんなこと言ってるの、父さんはこの街を奇麗にしてくれているのよ、なんで顔を隠す必要があるんですか!」

俊男「母さんには分からないよ、僕が、、、、」

俊男はその先が言えない、いじめられている事はとてもじゃないが言えない。

その日の夕方

俊樹の清掃局の仕事は朝も早い、それ故業務を終えて帰宅する時間も夕方頃には帰宅になるが、当然ながら翌日の早朝も朝4時半には起床だ。 しかし、俊樹は勤続開始以来、皆勤を続けていた。 

母親「俊樹さん、ちょっと話したい事があるんですけど。」

俊樹「うん、どうしたの? 何かあったの?」

母親「トシちゃんの様子がちょっと気になるのよね、、実は私の財布からお金を持って行ったみたいで。」

俊樹「え、、、そうなの?なんでだろう、小遣いが少ないのかな?」

母親「そんなことないと思う、だってあの子スマホも持ってないし、たまに小説を買うくらいしかお買い物しないから。」

俊樹「う~ん、1万円か、高額だね。 黙って持って行ったことは良くないんだけどなぁ、事情があるのかなぁ」

母親「私ね、ちょっと思うんだけど、あの子いじめに遭っているような気がしているの。私も子供の頃いじめられていたから、分かるのよ。 時々凄く恨めしそうな眼をする時があるの。 それにね、一回だけ唇を怪我して帰ってきたことがあったわよね。」

俊樹「あぁ、それは、、、母さんの事は知ってるけど、俊男も? なんであいつが? 確かに怪我はしてたけど、ほらあれは友達とじゃれてたら手が当たったって言ってたけど、、」

母親「いえ、何だか話してたら凄く嫌な予感がしてきたわ、あの子昨日の夜も夜中にコンビニ行ってたでしょ?おかしいわよね、何も買って帰らなかった。」

俊樹「確かに。1万円あるのに手ぶらか。 分かった、あんまり気は進まないけど、今日俊男が帰ってきたら事情を探ってみよう。」

そう言いながら俊樹は篠崎家に立ち込める非日常の空気感に、不安が募った。 これまで毎日家族3人で楽しくやってきた。

俺はこの家族に何かあったら命に代えても守って見せる。 だけど仕事を頑張る以外に取り柄がないからな、もし俊男がいじめられてたら、いじめている本人に何か言えるだろうか?

いやいや俊樹、お前がここでビシッと父親を見せるんだ、それが父親だろう。

俊樹はそう思いながら、優しく繊細な母親に笑顔で応える。

俊樹「大丈夫!何があったとしても必ず僕が2人を守るよ。」

続く


前回の続きでまた脳内小説の備忘録化を進めてみたいと思い書き連ねております。

時間が掛けられないので細部まで考察したり、取材したりして事実や現実に則して書くことはできず、お目汚しとなりますが、どうかご容赦くださいませ。

と、体の良い事を書きましたが、最近日本の政治に憤慨気味なのが、このブログに出てきてしまいそうで、それはそれでブログとして良くないと思いまして。

それもありつつ、当たり障りのないネタでダラダラ書いても仕方ないので、この際こちらでも下らない私小説を書いていこうかと思ったりしています。






2022年9月21日水曜日

小生とアンタ

 ブラインドカーテンの隙間から入ってくる光が帯を成して西日が差している。

この部屋は小生のお気に入りではあるが、この西日だけは毎度の事ながら眩しいので嫌になる。

今日は朝から眠り過ぎてしまった、いや、正確には寝ること以外特にやることも無いのだが、、。

こうもやる事がないと、どうにも眠るしかなくなってしまうものだ。

元々眠りはかなり浅い方なので、寝ようと思えば何時間でも寝ていられるのだ。 小生だけがそうなのか、小生以外もそうなのかはさっぱり分からないが、兎に角寝るのは得意である。

今日は珍しく男が部屋にいる。 

小生に適時に飯を持ってくる便利な男だ。 その上マッサージまでやってくれるし、やたらと高い声で小生の事を何やらモゴモゴ訳の分からない声音で撫でまわして来るのだが、それは時に嬉しくもあり、この上なく噛み付きたい程苛立つこともある。

この男、一体何を考えているのかさっぱり分からない。 難解な声を出して何を伝えたいのかさっぱり分からないのだが、一つ分かっていることは、この男どうも小生の事が好きでたまらないらしい。

小生が危ない目に遭った時は小生を抱きかかえて守ってくれるし、小生のケツもこいつが拭いてくれる。 とにかく便利である。

寒い時はこやつにくっつていれば温まれるし、暑い時は離れて寝れば良し。

しかし、男はどうにも部屋にいることが少ない。 

一日中どこへ散歩に行っているのか、なかなか帰ってこない。 こういう便利な男なので、何と言うか、ちょっと寂しい気分になる事がある。 いや、ちょっとではないかもしれない。 随分と恋しい様な気がする。

一日居ない時などは、戻ってきた時の男の匂いが堪らない。

そんな時はついつい、貪りつきたくなって顔中を舐め回してしまうのだが、男はそれでも嫌な顔はしていないので、まぁ概ね気分を害しているわけではないのだろう。

そんな風に、小生は考えている事と、体の動きが上手くまとまらないので、ついつい暴走してしまうのだが、男はそんな小生を見てゲラゲラ笑っている。 小生は感情が上手く伝えられない。 

小生がどれくらい男を愛しているのか、どれほど会える時を待っているのか、上手く伝えられない。

一日が過ぎてゆく。 小生は、難しい事は喋れないし、伝えられない。 だから男に伝えたい事が日々溜まっていくのだ。 

大好きだ。 外に出たい。 腹が痛い。 目が痒い。 雷が怖い。

男が居なくてはもう生きてはいけないだろう。 

だから一生懸命伝えたい。 

「他のどんな可愛い犬より、アンタのことが大好きなんだ」

でもな、なんだろう、こうしている間にも時間は過ぎていくんだな。 小生は男より野生に近いからかな? 男とずっと一緒には居れないんだろうなと。 そんな風に思うんだ。

アンタが思っているより、小生は多分長生き出来ないかもしれないし、出来るかもしれない。

分からないけれど、なんだろう、小生にとってはアンタとの時間はどんどん早く過ぎていくんだ。 何故だろう、そんな事を考えると悲しくて、目から涙が止まらなくなる時があるんだ。

アンタは目ヤニだと言って取ってくれるけど、悲しくて、アンタより長生きしてあげられないのが悲しくて。

ずっとは一緒に居られないんだな。 だから、アンタの思う時間ではなくて、小生の時間も少しは考えてくれよな。

アンタは長生きするよ、そんな気がする。 だけど、小生はその10倍近いスピードで歳をとってしまう。 

だからさ、無理はしなくていいんだけど、なるべく一緒にいて、傍に居させてくれよ。 

小生の夢は、アンタの記憶に一生残る事だ、そんな犬でありたいと小生は思うのだよ。

電子レンジをいじりながら男は言う。

「どした?キューキュー言って。 ほら、こっちにおいで。」

「ワン!」(大好きだぞ!)

ゆったりと男がいつも流しているカノンが優しく流れてゆく。

西日は薄れ、傾いた日は影を潜め、ゆっくりと薄い夜が訪れる。

男の膝に犬がうずくまり、その時を噛みしめる。 

いつかその別れが、惜しみなく一人と一匹の記憶に焼き付きますように。




まぁ飼い主のエゴかと言いますとそういう風になってしまいますが、本日は一風変わった風合いで書いてみました。 時折犬の気持ちが分からなくなるものの、結構意外と色んな事を考えるまではせずとも、思っているという事だけは長年犬を飼っておりますと分かってくるものです。 

実はこういった小説のストーリーも頭の図書館には保管してあるのですが、なかなか仕事以外に着手することは難しく。

店主は記憶に物凄く拘りと言いますか、執着がある男の様です。 記憶、単なる断片的エネルギーなのか、物質的ではない映画のフィルムなのか、記憶に纏わるエトセトラってところですかね。



2022年8月11日木曜日

救急車に乗った事があるかい?

 本日は久しぶりに丸々一日お休みしてみました。

本当は早急に処理するべき案件は沢山ありましたが、先日の作業で少々力業が必要だったので、靭帯を休める必要があると判断しまして。

休むという意味では少し前の急病の件ですが、まぁ今流行りの陽性反応になりまして、店主はそれほど症状は重い方ではなかったと思いますが、熱が結構上がりまして39℃を越えてどこまで上がるのかと思ったら、39.5までいきました。

横たわったベッドの上で、噂で聞いていたより結構厳しい戦いじゃねぇかと焦りました。(笑) とりあえず40℃までいったら救急車かなぁと思っていましたが、熱で救急車って必要なのだろうか?と思ったり。

熱もきつかったのですが、どちらかというと、店主の場合は頭痛が酷かったですね。

頭痛っていうのは本当に質が悪い。

それにしてももう一回こういう状況になるのは流石にごめん被りたいなぁと思いますが、ここまで日常的に蔓延しているとどうにもWith何とかってスタイルで過ごす事に諦めと覚悟が必要になってしまうのでしょうかね。

いつか、あの時代はまだみんなマスクしてなかったよね~と懐かしむ時代も来るのだと思います。 いや、それはもう今来ているのかも知れません。

そういえばあの頃はノーヘルOKだったよね~という会話もバイク屋さんではよくある事ですが、マジですか!ノーマスクでOKだったんですか?という若者と出会う頃には店主は立あえるかな。

そういえば、人生で救急車に乗った記憶があるのは一度だけだっただろうか。

ずっと昔、ストーカー被害で2度死に掛けたことがありました。

一度は寝込みを包丁で刺されそうになって、なんか妙な空気を察して直前で起きて、包丁を持った女性ともみ合いになった事があります。 あれは危なかったなぁ。

もう一件はあえなく救急車で病院送りになりましたが、あれも大変だった。

その後も似たようなことが何度も起こっていますが、今でも睡眠時の警戒モードは凄いものがあります。

ほんの少しの物音でもずっと寝たふりだけして一晩中起きていることもありますから、なかなか厳しい経験値となりました。

まぁ結局この歳まで生きて楽しくやっているので結果オーライなのですがね。

依存度の高い方との交友には十分注意したいものです。






本日は数カ月ぶりのお休みでしたので、ちょっと一人で近場を仕事抜きで走ってみました。

林道に行きたい。 ただただそんな時間が欲しい。 しかし、事業主としての志としてこの戦いを止めるわけにはいかない。 粉骨砕身という時期なのだろうと自分を捻じ伏せる。

いつかは落ち着く時期もまたやってくるだろう、その時には毎週休みを取ろう。


不動産屋のオヤジ曰く

小説バージョンを只管書き連ねるブログになってはこれまたブログとしてはどうなのか? いや、そもそも論が好きな年代心得。 バイク屋のブログとしてはどうだと。 そう思い至ったところから、こちらでも番外編的な近接芦田屋心境をつづる事にはある一定の魅力期待値が備わるかもしれないと。 忙しい...